僕の名前を知る二児を連れたあるお母さんが「こども運動クラブ」を見たいと言って地元公共体育館の事務所にあらわれた。
職員の方がこのお客さんを二階のアリーナにいる僕のところまで案内してくれた。
マスク越しに笑顔で、松田先生、私覚えてくれていますか?と。「かおり」です。
一瞬、「かおり?」
この子の姉の名前は「よしえ」
妹が「かおり」
忘れる訳がない。
姉は、高校まで体操を続けたが、「かおり」は途中で辞めてしまった。
姉「よしえ」は、僕のところを何度か訪問してくれたが、妹は一度もなかった。ずいぶん長くなる。もうほとんど忘れかけていた。
が、そんなことはない。
顔をみた瞬間に、記憶が鮮やかによみがえった。
この子には、忘れられない思い出があるからだ。
それは、また次回に話そう。
とにかく、今日は、連れてきてくれた、お子さん二人だ。二年生と年長さんのこと。
長男君がパルクールを見て、体操に興味を持ったらしい。「カッコいい」と思ったんだろう。
こども運動クラブのホームページを見ていてくれていたようだ。
今住んでいるところから、そんなに遠くないし、近くに有名体操クラブはあるけど、やっぱり松田先生のところに行こう、そう話してくれた。
僕のところで、もう体操競技はできなくなったが、パルクールにつながる運動、身体の使い方なら、伝授できるかもしれない。
まずは、ワンパクな野生の能力を呼び覚まして欲しい。
わざわざ来てくれた、お返しに、かんたんな側転の動きを、伝授した。
大喜びで、トライしていた。
ここ一週間は、あちこちで、はしゃぎまわるだろう。それが、男の子だ。
そういえば、第一世代の「ともこ」「さちえ」「みつる」も子育て世代だ。
こどもには、良い時間を与えてあげて欲しい。すぐに、大きくなってしまうから。