こどもに逆上がりを指導するうえで気を付けるべきこと

お子さんに、逆上がりを教える機会がある方へ、気をつけておいて頂きたいことを2つ申し上げておきます。(体操クラブの方は、クラブ独自の指導方法がありますから、そちらに従って下さい。ご自分の指導に生かせていただければ幸いです)

今回は、それ以外の大人のかた、お父様、お母様、あるいは教育現場の先生、保育士さんへのアドバイスでございます。二つあります。

1.完成を急がないことです。

2.少し高めの鉄棒でやることです。(あとで詳しく述べます)

逆上がりは、子供さんが興味をもたれたら、そこで初めてやるぐらいの気持ちでよいのですが、日本人は努力主義が好きですので、なんらかのきっかけで無理にやらせたり、子供からすれば、やらされる機会(学校体育)は出てきます。はっきり言ってできる必要はないのですが、子供さんからすれば本心はできたほうが良いわけですから、そこはぜひ無理なく小さな成功体験をさせて上げて下さい。

さて、お子さんに逆上がりの指導が必要になるということは、お子さんが逆上がりをやってみようとしたら、うまくいかなかった、という場合ですよね。お子さんが逆上がりできない理由は、およそ2つあります。

1.回転感覚がない。

2.体幹筋力が育っていない

そもそも運動が苦手だからですが、そういうお子さんは進んで鉄棒に触ろうとはしませんよね。なんとか鉄棒の前に来てくれればよいのですが、無理にやるとかえってへこみます。絶対やめて下さい。もし、少しでも興味をもっようだったらしめたものです。なかば成功したも同然です。ここはあなた(大人、コーチ、先生)の腕の見せ所となります。

やることはシンプル

今回は、体幹力を改善するための運動を紹介することになります。回転感覚ですが、ベストはマット運動ですので、ここではおいておきましょう。別の機会に。

冒頭に述べましたように、完成形を練習しないのは、そういう意味を含んでいるわけです。逆上がりを教えるときに、指導者(大人、教師、コーチ)がいきなり完成形を子供の前で見せるときがあります。逆上がりってこうするんだよ!というつもりで。まあ、よいのですが、少し待ってください。できるあなたの気持ちはわかります。あなたは自信たっぷりにやるでしょ?それが良い方向にいくとは限らないのです。わかりますか?

あなたは、大切なポイントを指摘し、こうやれば、うまくいく!こんなふうになるとできないよ!って指導されますよね?

はっきり言います。そんなの見せられても、できない子は、困るわけです。優等生のあなたを見ても、どうしようもありません。筆者からすると、できない子の気持ちがわかっていない!となります。やってませんか?松岡修造さん的なノリで(ごめんなさい、笑)

今できないことも、頑張ったらできるようにるんだ。がんばれ!って(笑)

あなたの成功体験をいくら強調しても、できないものはできません。

少し横にそれました。戻しましょう。筆者の幼児体育、児童体育の実践経験から言いますと、鉄棒は低すぎるのはダメだということです。

適切な高さとは?

できれば、子供の顔の正面あたり、理想は頭の少し上、腕が自然に曲がる程度の高さの鉄棒を選ぶことです。足は着いている必要はあります。幼児の場合は、あまり高すぎると恐怖感が生まれますので、胸の高さが良いでしょう。これもその子によります。足が離れたときに宙ぶらりんになる高さが良いです。

やってはいけない高さとは? 

もし、腰のあたりの高さの鉄棒を選ぶと失敗を誘導することが多くなります理由は、錯覚が生まれるからです。そうです。皆さんがよく失敗例としてあげていらっしゃるあの現象です。筆者に言わせると、失敗を誘導しているとしか見えません。低い鉄棒では、懸垂感覚が生まれないからです。腕をまげてやるんだよ、といってもそれは無理です。この失敗現象を起こさないようにするために、自然に引付けがおこるような高めの鉄棒を選ぶわけです。鉄棒運動をよくご存じのあなたなら、おわかりですよね。体操クラブは、段違い平行棒(低バー)がありますので、高学年でも対応できます。

「高い」⇨「できない」でしょうか?

「高さ」は、一見、勇気をくじきそうですが、そうではありません。高すぎるのがいけないのであって、適当な高さは新たなチャレンジ精神をよび子供はかえって喜びますよ。試してみてください。そこはご心配なく。元々、完成形をやろうとしていませんので「できない」は起こりようがないのです。では、そろそろ筆者がオススメするシンプルな運動を紹介いたします。

寒いとは言え、もうすぐ立春ですね。

皆さん、いかがお過ごしですか?

鉄棒で遊ぶ子供もいないし、さみしいので少し運動してみました。

高齢者にはけっこうきつい運動です

逆上がりは、スイングが大切ですね。

宙返りするわけにはいかないので🤗

逆上がりできないお子さんの参考にになればと思い、生存確認のために、投稿しておきます。😁

Matsuda Kazuhiroさんの投稿 2022年1月30日日曜日

子供だけが持っている「打てば響く」素直な感性

僕の手元に大切にしてきた一通のはがきがあります。

41年間僕を支えてくれた葉書です。少し自慢たらしくもあるのですがシェアします。



若い頃、小学校の教師になろうとしていたが、理想の教師像を追及していけば、現行の学校システムとは無理が生じることに気付いてしまいました。でも子供から離れられない。

なぜなら、若い頃の「魂の躓き」を救ってくれたのが子供だったからだ。

なので、体操を教える道を選びました。たまたま体操競技経験があるからですが、、、


魂の躓きとは、若い時にはよくあるやつ。生きる目的の消失です。オリンピックが目標なのにオリンピックがなくなってしまったときの消失感。それと同じです。挫折感がない人もいるのは知っていますが、、、


教育実習のとき、当時の校長先生の指示もあって、授業案を書かずにぶっつけ本番で国語の授業をやりました。そういう意味では、今と違って、腹の大きい、面白い校長先生だった。


教材は「片耳の大鹿」だった。あまりにも大きすぎるテーマです。読んで、はい終わり、ではすまない内容だった。

新出の漢字はさっさと済ませて、君たちはどう思う?と尋ねるのが僕のスタイルだった。書き方や読み方は重視しない。後で校長先生から軽くお叱りを受けたが、、、


ある生徒が、手を挙げて発言してくれた。

僕は子供の発言に優劣をつける立場にはないので勇気を誉め称えた。


クラス担任の先生から聞いた話なのだが、この子はクラス内でまったくのお客さんだったらしい。要するに、手を挙げたことがないのだそうだ。その時の担任の先生はそのことに驚かれた。そりゃ、そうだろう。椋鳩十先生の名作を読んで感動しない子供はいない。僕はそう信じていた。


僕の役目は、この作品の素晴らしさを伝えるだけだ。これをきっかけに、しっかり読書経験を積んで欲しいのだ。そして感動の生まれる根拠について子供と共有したいだけだった。


ある意味、教師としては失格だ。なぜなら、読み書きをしっかり教えるのが教師の仕事だからだ。体操のコーチがトレーニングの基礎を教えるのとまったく同じ。そういうことを校長先生から諭された。僕は正式な教員は無理だなと深く悟った。


以来、体操のコーチになっても、同じ道を歩んでいる
体操のコーチとしても二流レベルの力量しかない。
ただ、子供の心をつかむのは得意かもしれない。


実習が終わる頃、千羽鶴をクラスの生徒たちが秘かに織り込んで、お別れ会の時、「必ず先生になって欲しい」と書かれたメッセージとともに、他の実習生、教員の皆様の前で渡された。


まさか、僕のところに、そんなに人気が集まるとは、他の教員の先生方も実習生も想像できなかったらしい。


僕は、教員免許は無駄にしたが、資格以上に大切なものに気付いている。
それは、子供への「恩返し」の気持ちかもしれない。


僕を救ってくれた子供のそのストレートな愛に、打てば響く素直な感性に救われたのだ。


だから、子供の感性を大人の欺瞞で汚さないようにして欲しい。


瑞々しい感性を大切に育てて欲しい。

スポーツ化は高校生からでよい

小学生までは基本の運動をしっかりマスターして、中学生の三年間は、すこし競技にシフトしてもよいけれど、それも、最小限にとどめておくべきだと思います。

お子さんが小さいうちから競技の道を選ぶ人もおられます。それを否定するつもりはありません。ですが「こども運動クラブ」にご関心をいただく方には、そんな方はおられないと思います。

小さいお子様をお持ちのお母様には、「スポーツではなく器械運動を選ぶべきだ」というメッセージを「こども運動クラブ」としては、あえて送りたいと思います。

スポーツと運動とは違うのか?

スポーツというのは、本来「遊び」の要素があったものが、人間の持つ競い合う気持ちをうまく利用して、近代になって支配勢力がうまく利用して発展してきたものです。

何を言わんとしているのか、わかりにくいかもしれませんね?でも、もしかすると競技スポーツをやりすぎて疲弊してしまったお子さんをお持ちのお母様には、ピンっとくるメッセージかもしれません。

僕が、強調して伝えておきたいのは、器械運動は、身体も心も健康でハツラツとした人生を送ることが第一の目的であって、技術を競いあうスポーツは、あくまでも第二の派生文化だということです。

スポーツは人間の生活を豊かにするためにあり、生活を歪めるためにはありません。

子どもに本当に必要なものは、身体をコントロールする能力と規則正しい食事と生活の改善であり、ことさら、他人に勝つ能力ではないということです。

ここを間違わないようにして下さい。

大切なことなので強調しますが、スポーツが価値があるのは、勝ち負けを学ぶことから人生の深さを知ることができたときだけです。とくに、負けることから、深く学ぶことができるからです。

そういう意味では、適切な年齢に達しておかなくてはいけない!と考えています。

それは、昔で言うなら、「中学生に入る頃」ということです。このあたりは、個人差がありますので、一概には言えませんが、目安として考えて下さい。

ですから、12歳以下の子どもさんは、まずは、正しい器械運動から学んでほしいのです。お子様が競技(スポーツ)に興味を持つか持たないかは、あなたが決めるのではなく、その後、自然に決まるものです。

ですから、12歳以下の子どもさんは、まずは、正しい器械運動から学んでほしいのです。お子様が競技(スポーツ)に興味を持つか持たないかは、あなた(保護者)が決めるのではなく、その後、自然に決まるものです。

以前のブログ内容を書き換えました